理事長所信

62代理事長
守屋孔明  

 『はじめに』 

私は本年、青年会議所を卒業します。未来のまちづくりを担う青年たちのために、私は会員数の拡大を推し進めなくてはなりません。 若かりし頃の私は、馴れ合い楽しいだけの時を過ごしてきました。思い返せば、若い貴重な時間を無駄にしてきたとすら感じます。そう気付かせてくれる出会いや、個人では知ることの出来ない価値観、新たな学びを得る機会が、青年会議所にはあるのです。気がつけば、常に頭の片隅に思い浮かぶ同志達ができていました。これらの出会いから、仕事だけでは感じることのできない視点を体験し、失敗を恐れずに挑戦することのできる場所ができたのです。また、私がどうにもならない状況にも、進んで手を差し伸べてくれる仲間たちの姿勢に心を揺さぶられました。まちを動かす運動を行っていくという、何ものにも変え難い体験をしなければ私の人生に価値は無かったとすら思います。こうして昔からの友も今の仲間も、どちらも人生にとって、かけがえのない存在へとなっていったのです。未来への一歩を自ら歩みだした個々人にとって、かけがえのない経験をさせてくれる青年会議所は、まちにおいても必要な存在であると信じています。 

まちをつくるためには、人が不可欠です。人材を育て、排出していくことは我々の使命です。そして、当青年会議所が継続的に我がまちをつくっていくためには、一人でも多くの会員を増やしていかなくてはなりません。会員が増え、様々な意見を出し合う中で、摩擦や衝突が生まれる事でしょう。しかし、議論を交わしていく際に忘れてはいけないのは私が学んできた他人を愛しむ心です。機会をつくり、時を共有する事で心は伝播し、メンバーは増大し、やがてまちの未来を創り出していきます。 次世代の組織を創るためには、若い力が必要不可欠です。まだ見ぬ未来に向けて、小さく踏み出した「決意の一歩」を共に歩んでいかなくてはなりません。歩みだした先には、挑戦や不安を共有できる同志が青年会議所にはたくさんいます。ここには他人を敬い、助け合い、一緒に成長し続けられる人間性を持ち合わせた個性豊かな精鋭たちが集まっています。多様な人が組み、織り成し合う事により、一つの束となり彩り豊かなまちへと繋がります。また、馴れ合う時間を共有するだけでなく、辛く、苦しいことすらも共に越えていける仲間がいる喜びを知って欲しい。この仲間たちとであれば、得意も不得意も区別せずに、果敢に挑戦をして、新たな自らの価値に気がつくはずです。先達を見て来た今こそ、一丸となり轍の無い道へ歩みを進めて参りましょう。誰かがその背中を見たとき。未知への挑戦をはじめる一歩目の後押しになるはずです。 拡大の先には新しい意見や衝突が生まれ新たな体験が始まり、行動を共にする仲間が増大し、組織は共鳴し、未来永劫に続くまちづくり運動へ飛躍してまいります。 

『基軸の拡大』 

未来へ繋げるためには、ここで拡大活動を全身全霊をかけて行わなくてはなりません。ここまでの組織を作り上げてきたメンバーは、苦楽を共にし、同じ時間を過ごしてきました。かけがえの無い時間を共にすることにより、絆が生まれて行く過程に携わり続けてきました。言えるのは、この

仲間たちが持つ千差万別の個性を伝える機会を生み出せば、自然と人は集まります。まだ見ぬ同志たちと出会う時に、他者を尊重する心と笑顔を忘れずに接すれば、必ず会員は増加すると確信しています。変化には衝突や摩擦を伴うこともあると思います。しかし、青年会議所の存在をより多くの人に知ってもらうと同時に会の雰囲気やメンバーの色を伝えれば、拡大は必ず成功いたします。 

『拡大の人財と組織づくり』 

拡大することは必須ですが、一人ひとりの魅力を新たな若い力へと伝えることが必要です。私が活動する中で感銘を受けたのは、仲間が辛く苦しい時に手を差し伸べ、共に考え、共に行動できる同志たちでした。人を慈しむことができればその心は必ず伝わります。新たに出会う機会が多い本年、自分の心を見直し、他者との関わり方を見出す機会をつくります。地域に必要とされる会を維持するためには、この能力を身に着けたメンバーが増加し、新たな議論の研鑽を重ねることで、ひいてはまちの発展へ繋がるのです。 拡大の先には、波乱がつきものです。若さを得るということは経験が不十分となります。この経験を補うために、一人では達成が困難な機会を与えながら、小さな成功体験を積み上げることのできる機会を提供し、挑戦を恐れずに不安を払拭できる組織を作り出してまいります。少数で運営をしてきたからこその、一人ひとりの能力を新たなメンバーへ継承し、新たな機会の提供へと繋げます。機会は個々の成長に繋がり、組織はより強固なものとなっていくのです。しかし、強靭な組織となるためには個人の能力を遺憾無く発揮し、個性が組み合わさり議論を交わす機会が必要です。若い力に多くを経験させ、組織の成長を後押しして参ります。 メンバー一人ひとりが人の心を推察でき、自分事へ置き換え、行動に移せる、輝きをもった人財と組織を作って参ります。 

『拡大思考のまちづくり』

 拡大を推進することで、豊かなまちが築かれると信じています。私たち青年会議所は青年経済人の学び舎です。つまり、この学び舎に集う経済人たちが発展することは、まちの経済にも影響を与え、我々自身の運動もそして活動も拡大していくのです。 まちづくり運動は最大の発信の場です。大勢が集うことで多様な価値観を持った人たちと出会う機会が生まれます。この出会いを大切にして、新たな同志を見つけていくのです。また、10年、20年先の未来を見据えた時に、世代を越えて楽しむことのできる事業を展開して参ります。いつの日か、その日に出会った少年少女たちが、青年会議所の門を叩いてくれることを夢見て、事業を構築して参ります。 ジャンボ火起こし綱引きコンテストは秦野青年会議所の誇り高き継続事業です。また祭の中核的事業として位置付けられています。この伝統を繋ぎ、次代に繋いでいくためには若い未知の力と共に事業作りだして参ります。達成感や高揚感を味わうことで、日常では体験することのできな

い、大きな価値観を体感していただき、私たちの情熱を繋ぐ事業を伝播させると同時に新しい仲間を迎え入れる契機といたします。 

『むすびに』 

私は青年会議所の門を叩き、様々な価値観をもった仲間たちと出会いました。その中で共通していたことは他者のために全力で力を注いでいる姿です。一人ひとりが、自分のためだけでなく、他者のため、そして未来のために、熱意と情熱をもって行動していたのです。他人の幸せを喜べる力を胸に、私たちは新しい時代の中での新しい役割、新しい挑戦に立ち向かっていきます。運動や活動を通じて社会全体が持続的な繁栄と幸福を追求できる、そんな明るい未来を創り出していきたいと思います。私たちの活動が、誰か一人の人生にも、微笑みや希望をもたらすことができるならば、それが私たちの最大の成功と言えると考えています。私たちも他人の幸せを喜ぶことを伝え、この力を携えたメンバーと共に来たる70周年への礎を築いて参ります。